現在(平成19年末)、浜松市には全人口の4%、33,000人 の外国人が在住しており、そのうち60%はブラジル人です。 浜松市民の100人に4人は外国人になります。 また小・中学校の学齢期にある外国籍児童数も急増して おり既に約2,700人に達しています。 そのうち半数以上の1,600人が公立小・中学校に在籍 しています。これは浜松市の全小・中学校生徒の2.3% に当たりますが、学校によっては20%を越している所も あり、ある学級では3人に1人は外国籍の子どもである 例もあります。 またこの数は増加傾向にあり、しかも保護者の日本での 定住化・長期滞在化の影響を受けて、子ども達の長期 在学が増え、また義務教育を終えた以降も日本に住み 続けるケースも多くなってきています。 |
多くの外国人子どもが公立小・中学校に就学している現状は 国策によるところが大きいのです。 外国人子どもには、本来就学義務はありませんが、「経済 的、社会的及び文化的権利に関する国際規約(昭和54年 条約)」を基本にして、入学を希望するものについては、 公立の小・中学校への受け入れを保障しているからです。 また公立の小・中学校では、日本語能力に関係なく、 子どもの年齢相当学年への受け入れを原則としています。 |
このような状況下で、いま浜松の外国人を多数受け 入れている小・中学校では多くの問題が顕在化して います。 (1)日本語能力不足のため、学校の勉強について いけず、落ちこぼれ状態になっている外国人 児童が多数いる。 (2)多数の外国人児童を受け入れている学校では、 彼らの面倒を見ることが先生方のオーバー ワークの原因の一つになっている。 (3)落ちこぼれ状態になった子どもが、不登校/ 不就学児童となりやすく、将来的に大きな 問題になるかもしれない。 (4)保護者が日本語に不自由していたり、日本の 歴史、文化風習を知らないため、子どもの予習、 復習を始めとした家庭教育が不十分なことが 多い。 (5)小・中学校での日本語能力不足が主な原因の 学力不足のため、進学したくても高校進学が 難しい場合が多い。 |
現状改善のため、浜松市も外国籍児童の多い学校への教 員の加配、通訳支援員/就学サポーターの配置、初期日本 語教室(はまっこ教室)の設置などの方策を採って、学習 支援をしていますが、予算的制限などがあるため、質・量とも 大幅に不足しています。 この困難な状況を少しでもカバー出来ればとの想いで、 にほんごNPOは平成18年11月から遠州浜小学校で、学校 と連携し、ボランティアによる毎週2回の放課後学習支援を 開始しました。その後支援対象校を増やし、現在 (平成20年4月現在)曳馬中学校、大瀬小学校、葵が丘小学 校の4校で学習支援を展開しています。 |
にほんごNPOの学習支援は、ボランティアによる。 それも出来るだけ学校の地元のボランティアによる 学習支援を基本にしています。出来るだけ多数の ボランティアを確保し、子どもと一対一の学習支援を目指し ています。外国人子どもに一番必要な一人ひとりの子どもに 合った支援が可能になるからです。 ただ単に言葉や教科を教えるというのではなく、日本の 社会に不慣れな保護者では教えることが難しいが、日本人 なら常識であるようなことを知らず知らずの間に子ども達に 伝えることも出来るし、また子ども達との心の交流まで出来る 可能性があります。また地元のボランティアが子ども達に 学習支援する過程そのものが、とりもなおさずその地域での 多文化共生の一助になり得ます。 |
にほんごNPOの子ども支援一覧
(平成20年4月現在)
学校名 | 支援開始時 | 支援日・時 | 支援内容 | 対象外国人 子ども数 |
支援 ボランティア数 |
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遠州浜小 | 2005・11 | 毎週木・金曜日 午後 夏休み |
放課後勉強会 国語(読み方・かな/漢字・プリント・宿題) 算数(宿題・プリント) 取り出し教室入り込み支援 |
約40人 | 30人 |
大瀬小 | 2007・6 | 毎週木・金曜日 午後 | 放課後勉強会 国語(読み方・かな/漢字・プリント・宿題) 算数(宿題・プリント) |
約20人 | 12人 |
葵が丘小 | 2008・4 | 毎週木曜日 午後 | 取り出し教室入り込み支援 | 20人 | 10人 |
曳馬中 | 2007・4 | 毎週火・木曜日 午後 | 放課後勉強会 国語・数学 |
4人 | 3人 |
にほんごNPOは、学習支援を待っている子ども達のため、これからも新たな学校での
ボランティア活動による外国人子ども学習支援を展開して行こうと思っています。
ボランティアになる資格は、ただ一つ子どもが好きだということです。日本語を教える専門
知識は必要ありません。
興味のある方は、是非一緒に活動してみませんか?一度学習支援を見学してください。
電話またはメールでご連絡ください。