ご挨拶              

(にほんごNPO代表として)

 1991年6月、日本語の教え方講座を修了後、初めて紹介された生徒は、
大企業に駐在するブラジル人技術者の配偶者でした。その頃の浜松の
外国人人口は約8,000人。前年度に入管法が改正され、ブラジル人の人口が
約2,500人増加してはいますが、まだまだ、多文化共生社会の到来という
感覚はありませんでした。

 それから10年後の2001年4月、大学と大学院で日本語学を学び、
再び浜松に帰ってきたとき、浜松の街は見違えるように変わっていました。
中心街を歩くと多くの外国人の姿を目にするようになりました。
外国人人口は約2万人。市の人口の約3%にまで増え、市は外国人児童生徒の
不就学問題に頭を悩ませていました。いよいよ、多文化共生社会の構築に
向けて動き出すときがきたのです。日本語教師養成講座の教え子たちと一緒に、
NPOを作ろう!と思い立ったのは、その年の6月頃のことでした。

 NPOを作ってからは、それこそ「走りながら考えてきた」という言葉が
ぴったりと当てはまるような日々でした。開設はしたものの、長く維持
できなかった教室もいくつかあります。子ども支援に本格的に取り組み
始めたのは、2005年に入ってからでした。日本語・日本文化研究会という
名前をつけたにも関わらず、日本文化に関する事業をなかなか展開することが
できずにいます。反省点を挙げればキリがありません。

 2008年現在、浜松市に暮らす外国人人口は約33,500人になりました。
市の人口の約4%です。異なった文化的背景をもつ人々が互いに理解し
合うためには、「言葉によるコミュニケーション」は欠かせません。
今、にほんごNPOの日本語教室で学ぶ外国人の方は約100人。にほんごNPOが
支援している外国人の子どもは約90人になりました。でも、日本語の
学習機会を求めている外国人や支援を待っている子ども達は、
まだまだ大勢います。

 小さなNPOではありますが、にほんごNPOは、地域の多文化共生社会の
実現に向けて、できるだけ貢献できるよう全力で取り組んでいきますので、
今後も、ご支援とご協力をよろしくお願いいたします。


特定非営利活動法人 浜松日本語・日本文化研究会
(にほんごNPO) 代表  加藤 庸子


 


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